分かりやすく簡単に。イラストで解説!

第1回 用途地域について ~基本編~

用途地域とは

  • 用途地域とは、建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールのこと。
  • 用途地域は全ての土地に定められるのではなく、都市計画法により都市の環境保全や利便の増進のために「市街地区域」と「非線引き区域」「準都市計画区域」が対象。
  • 用途地域は大きく分けて、「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分かれ、さら12種類のエリアに分かれる。

もしも『用途地域』のルールがなかったらどんな街になるかな?

用途地域が決められた土地とそうでない土地

みんな好き勝手に建てたいものを建てると……。
統一感のないデコボコ景観となり、住みにくい街になってしまいます。

右側は用途地域に合せて家と工場や高層ビルが分かれて建っています。


静かに暮らしたいのに、賑やかなお店ができたら嫌だなぁ。

施主

建てられる建物の大きさも用途地域によって決められるんだよ。

建築士

土地利用の用途(建てられる建物)を「住居系」「商業系」「工業系」に分けてみると……。

「住居系」「商業系」「工業系」に分ける

住みやすい場所、働きやすい場所、便利な場所に分かれたね。

施主

建築物が用途に応じて適した場所に配置されるから、街の機能を十分に発揮できるね。

建築士

さらに用途地域は12種類に分けられ、建物の用途だけでなく、建物の高さや規模などを制限しているよ。街の雰囲気が決まるね。

用途地域による建築物の用途制限一覧はこちら


住居系

▼クリックすると詳細が表示されます。
  • 第1種低層住居専用地域

    • 第1種低層住居専用地域

      低層住宅の良好な環境を守るための地域。
      絶対高さ制限(高さが10mもしくは12m)があるため、マンションも建てられるが3階建てくらいまで。

      店舗兼住宅、事務所兼住宅、小・中学校や診療所、600m2以内の老人福祉センターや児童厚生施設等は建築可能ですが、店舗や飲食店は建てられないので買い物や飲食店などの日常のちょっとしたお買い物などに不便を感じることも。
      主に、庭や駐車場がとれるゆったりとした敷地の戸建てエリアの街並み、いわゆる閑静な住宅街です。


  • 第2種低層住居専用地域

    • 第2種低層住居専用地域

      低層住宅の良好な環境を守るための地域。
      絶対高さ制限(高さが10mもしくは12m)があるため、マンションも建てられるが3階建てくらいまで。

      第1種低層住居専用地に建築可能なものに加え、床面積150m2以内で2階建以下の店舗、飲食店、コンビニなどが建てられるので、生活面では少し便利。
      主に、庭や駐車場がとれるゆったりとした敷地の戸建てエリアに、日常のちょっとしたお買い物が便利な住宅街です。


  • 第1種中高層住居専用地域

    • 第1種中高層住居専用地域

      中高層住宅の良好な環境を守るための地域。
      低層住居専用地域に建てることのできる用途に加え、病院や大学、高等専門学校、専修学校等が建てられます。

      業種により2階以下で床面積500m2以下の店舗や飲食店、スーパーマーケットも建てられます。また300m2までの自動車駐車場を建てられるためコインパーキングも認められます。

      日常の買い物がしやすい商業施設は充実しますが、あくまでも住居専用地域のためオフィスビルは建てられません。
      容積率などの制限は緩くなり、主にマンションを中心とした中高層住宅地に、集合住宅、2階・3階建の戸建、店舗が混在した活気のある住宅地になります。


  • 第2種中高層住居専用地域

    • 第2種中高層住居専用地域

      主として中高層住宅の良好な環境を守るための地域。
      第1種中高層住居専用地域に建てることのできる用途に加え、2階以下で1500m2までの飲食店や各種店舗、事務所などの施設が認められます。

      ある程度の快適な住環境を維持しつつ、利便性が高い施設が建てられる地域です。事務所も建てられますので、職と住が近くなります。


  • 第1種住居地域

    • 第1種住居地域

      住居の環境を保護するための地域。
      3000m2までの店舗や事務所、ホテル、旅館や、ボーリング場、スケート場、水泳場、ゴルフ練習場、バッティング練習場などスポーツ施設も建てられます。

      また、作業場の床面積が50m2以下の工場なども建てられますが、基本的には住居主体の地域なので、マージャン屋、パチンコ屋、カラオケボックス等の建築が原則として禁止されています。
      指定面積が最も広いため、大規模なマンションや店舗、事務所が建てられる地域です。


  • 第2種住居地域

    • 第2種住居地域

      主として、住居の環境を保護するための地域。
      大規模な店舗、事務所、ホテルなどを建てられます。加えて、マージャン店、パチンコ店、カラオケボックス等も建てられます。

      あくまでも住居の環境を保護するために定める地域なので、より慎重に周辺の環境に配慮して計画する必要があります。


  • 準住居地域

    • 準住居地域

      道路の沿道としての地域特性に相応しく、自動車関連施設などの立地と、さらにこれと調和した住居環境を保護するための地域。
      3階以上または床面積300m2より大きな自動車車庫、床面積150m2以下の自動車修理工場、床面積200m2より小さな劇場・映画館、営業用倉庫なども認められる地域です。

      住居系用途地域の中では、最も許容範囲が広い地域です。

商業系

  • 近隣商業地域

    • 準住居地域

      近隣住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業地域。
      各種店舗やスーパーマーケット、商店街が形成されることもあり、やや賑やかな環境になります。

      店舗、飲食店、展示場、遊技場などの床面積合計10,000m2までの施設も建てられます。
      日常生活の利便性は高くなりますが、住宅や店舗のほかに150m2までの工場も建てられる地域なので、より慎重に周辺の環境に配慮して計画する必要があります。


  • 商業地域

    • 商業地域

      主として店舗、事務所、商業などの利便を増進するための地域。
      市街地の中心部や主要駅周辺などに指定され、オフィスビルが立ち並び、銀行・映画館・飲食店・百貨店などが集まります。
      住宅は建てられますが、基本的には住環境が重視されることのない地域です。

      一定の工場などを除いて、ほとんどの用途の建築物を建てることができるため、周辺の環境や隣接地の建築計画などにはとくに注意しなければなりません。
      相対的に地価が高くなるため、新築一戸建て住宅が建てられることは少ないのですが、中高層マンションや超高層マンションが数多く建設されています。

工業系

  • 準工業地域

    • 準工業地域

      主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域。
      この地域では、工場の規模についての規制はありませんが、住宅や店舗が工場と混在して立地することが多いため、振動や騒音の発生、火災の危険性等の観点から一定の業種の建築が原則として禁止されています。

      商業地域と並んで用途の幅が広く、ほとんどの建築物を建てることができます。一定の風俗営業店及び、安全上・防火上の危険性や、衛生上・健康上の有害度が高く環境悪化をもたらす恐れのある工場は建てられません。
      マンションの供給も比較的多い地域で、昔からの町工場と混在している例も少なくありません。


  • 工業地域

    • 工業地域

      主として工業の業務の利便の増進を図る地域。
      工場については公害の発生のおそれが大きい業種も含めて建築できることとされています。
      住宅や店舗も建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

      工場跡地の再開発などで大規模なマンションや戸建て住宅の分譲地とされることもありますが、環境を悪化させる工場や危険性の高い施設も建てることができ、トラックの交通量なども多いため、周辺環境には十分な注意が必要です。


  • 工業専用地域

    • 工業専用地域

      工業の業務の利便の増進を図る地域。
      工場については公害の発生のおそれが大きい業種も含めて建築できることとされています。

      工業地としての土地活用を妨げるような用途の建築が原則禁止されていますので、住宅や店舗、学校、病院、ホテルなどは建てられません。


この12種類の用途地域は、後で説明する高さ制限、斜線制限を知る上で重要なんだよ。
「用途地域制限」によって、街づくりを計画的に行い、みんなが住みやすい環境整備ができるんだね。

※用途地域を調べるにはインターネットで『○○市用途地域』と検索すれば、用途地域ごとに色分けされた地図情報でわかるようになっています。


複数の用途地域にまたがる敷地

ちょっと、待って!こんな場所を見つけたよ。

お隣さん

複数の用途地域にまたがる場合もあるんだよ。
詳しく知りたい方は「用途地域の応用編」へ

建築士
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