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10/2放送:THE 突破ファイル/狭小住宅シリーズ作ってみた。ようやく2025年秋の足音が聞こえはじめた頃
2025.10.03
9月某日、日テレ系地上波番組「THE 突破ファイル」さんから、14回目の発注書がとどきました。
今回も「より多くの方に建築に興味を持ってほしい!」との思いで、3Dアーキデザイナーで作成したm3daデータをお作りしました。
放送は、2025年10月2日(木)19:00~ でしたがご覧いただけましたでしょうか?
録画予約された方はそちらを、
録画できなかった方はTVerで、1週間は無料で見放題ですのでそちらで、
「ココだな」なシーンで一旦停止したりしながらぜひぜひ繰り返しご覧ください。
また、huluなら恐らくメガソフトがデータをご提供した14回分、すべて見られると思いますので、それもよいかと思います。
今回も、3Dデータをお作りするにあたり、「どう作るかな?」と少々考えたところをご紹介します。
(※若干のネタバレ含みます)
水と天井を動かせ!
今回は、2つのシーンで「動かしたい」とのご要望がありました。
ひとつは、「窪地だから水没しちゃうかも💦」を表現するために徐々に水が増えてくるところ、
もうひとつは、例の建築士さんがリビングの天井をグイっと持ち上げるところ、です。
それぞれのデータをお作りし、
水没シーンでは水色半透明の直方体に、
リビングでは天井に見立てた直方体に、それぞれ【動作設定】しました。

例の建築士さんたちとどう組み合わされるか、楽しみなシーン。
【動作設定】については、前回の突破ファイルのキッチンの扉のところでご説明していますので、ご参考に。
▼水は大きな直方体で作図し、スタッフさんのご指示どおり、半透明の水色でお作りしました。

下絵をもとにランダムな階段を作れ!
今回のお宅のリビングのポイントのひとつがランダム階段でした。
踏み板部分がパカっと取れて収納ができるカッコいいランダム階段は、デザイン的にも機能的にも必須のアイテム。
いただいた図面にもしっかりとその形状が描かれていたのですが、作図の方法で悩みました。
というのも、図面を下絵として取り込めるのは「間取り画面」の機能で、モデリングしやすい【形状作成】は「3D編集画面」の機能、
つまり、下絵をなぞりながら【形状作成】で描くことができないから。
そこで、取り外す蓋を「間取り画面」の【躯体編集】→【3Dシェイプ】→【多角形】で下絵をなぞって描いて、【立体化】、
「3D編集画面」でそれぞれの3Dシェイプに配置高を設定したのち、蹴込板の部分は蓋に合わせて【形状作成】→【直方体】で描くことにしました。

蓋を開けたランダム階段の中には、「洗面所アイテム」のタオルや洗剤、「生活用品アイテム」のキャスターやクッションに加え、今回のために作成したトイレットペーパーと箱ティッシュもたっぷり入れておきました。

追加発注「すべてのシーンに背景を」!
当初のご依頼通りのデータを提出した後に、急遽「全データに敷地周辺の3Dデータをつける」というミッションが追加されました。😢
すぐに思いついたのは、狭小住宅のデータ(m3da)をパーツ化する(m3dに出力する)という方法。
けれど、おおよそは問題ないだろうけれど、それによって
例えば、「動作設定」を加えているところが問題なく動くか?や、
例えば、「手前の壁を非表示」が正しく適用されるか?などなど、確認は必要です。
放送に載る画像や動画はスタッフさんが3Dアーキデザイナーから出力されるので、扱いやすいデータにしておく必要があるからです。
しかも、今回はシーンに合わせて合計10点の狭小住宅データ(m3da)をお作りしたので、10個それぞれで同様のチェックをしないといけない。
そして、スタジオ収録はもう数日後に迫っている…うーむ🤔、これはピンチです!!
「10個すべてにスピーディーに、かつ、
スタッフさんが扱いやすい敷地周辺の3Dデータをつける方法はないか……考えろ!考えろ!」
と、やや番組キーワード風に考えて思いついたのは、
水没するシーン用に作った敷地周辺の3Dデータ側をパーツ化(m3d)して、
10個それぞれの狭小住宅データ(m3da)に取り込むという方法。
これだと一度提出してOKをいただいている狭小住宅部分には一切手を加えずに、狭小住宅の外側にたった1つのパーツ(寸法的には大きいですが)が追加されただけのm3daデータになります。
当然、先に挙げたような心配と確認作業は不要となり、
余裕のスケジュールで「3D背景付き」の狭小住宅データ10個をお届けできました。
▼グレー部分がm3daデータ、ピンク部分がm3dデータ(パーツ)です。
左が当初考えた「狭小住宅をパーツ」にして周辺の3Dの中に置くパターンのイメージ
右が最終案「周辺をパーツ」にして、狭小住宅データに置くパターンのイメージ

さらに、敷地周辺の3Dデータをパーツにしたことで、建物たちや地面を一括で扱え、背景に含まれる要素を個別に選択も編集もできないことが都合がよく、思っていた以上にスピーディーに周辺建物たちを追加できました。
この方法、おススメです。
▼背景部分は図面のサイズを基準に周辺の写真数枚を参考に作成。
赤い部分が当該の土地、ここに狭小住宅が収まるように位置を整えました。

皆様がお使いの3Dデザイナーシリーズでお作りしたm3d/m3daデータのCGがどのシーンに登場しているか、
例の建築士さんの斬新な突破アイデアとともに、お楽しみいただけたら幸いです。
