座談会写真
第5章

潜入!
移転委員会による総括会議

理想のオフィスを実現した4つの力

新オフィスでの業務が始まって2週間が経過したある日。移転委員会のメンバー4名が集まり、今回の移転プロジェクトを総括することとなっていました。そこに加わったのは、この日が新オフィスへの初出社となった井町社長。わずか半年で理想と言えるオフィス移転を実現した舞台裏と、それぞれが発揮した力について振り返ってもらいました。

参加者

移転委員会

  • 法人営業部部長 守田(移転委員会リーダー)
  • 開発部ディレクター 川田
  • 総務部 澤田
  • 法人営業部 畠山

特別参加

  • 代表取締役 井町良明

初出社で驚いた新オフィスの完成度

――まず新オフィスに足を踏み入れた時の感想をお聞かせください。井町社長は今日(取材日)が初出社だそうですね。

井町:
そうなんです、ほとんど東京にいませんでした(笑)。大阪本社だけでなく、セミナーの依頼が多くて全国をまわっていました。下見の段階でオフィスへ来たことはありましたが、稼働している姿を見るのは今日が初めてです。

立地もよいですし、駅からのアクセスもいいロケーションだと感じています。執務スペースが1か所にまとまっているので話がしやすいし、1人で集中したい時も、個室など充実していて、柔軟な働き方ができるように感じています。天井が高くなり、これまでのような圧迫感がなくなったとも思いました。

井町社長_1

守田:
移転委員会が発足して約半年、さまざまな苦労はあったのですが、あっという間にこの日が来たなという印象ですね。まずは各メンバーの専門性が発揮されたことによって、予算内に収めつつも、労働意欲が高まるオフィスを実現できたことを誇らしく思います。当初の予算を削減したことで、新しい設備や居心地が良くなるさまざまな工夫に回す余裕が生まれました。

川田:
3Dオフィスデザイナーを使って何度もレイアウトを検討してきて、精緻な完成イメージが頭にあったからか、嬉しさよりもホッとした気持ちが強かったです。感動が少なかったのは、すでに3Dで何度も見ていたからだと思います。

守田さん_1

澤田:
私は選んだ家具が揃った新オフィスを見た時、パース通りだったことにむしろ感動しました。特にリフレッシュスペースには思い入れがありました。これまでのオフィスの象徴的な存在だったバーカウンターを引き継ぐ、最高の空間として創りたいという想いから、候補となる家具を3Dオフィスデザイナーで何度も作成し、妥協せずシミュレーションを重ねた甲斐があったと感じました。

畠山:
みんなが嬉しそうにしている姿を見るのが素直に嬉しかったですね。オフィスそのものよりも皆さんの様子の方が印象的でした。5月の1ヶ月ぐらいはもう移転の話しかしてなかったんで、ようやく形になったんだなという安堵感もありました。旧オフィスでも最後に写真をいっぱい撮って、名残惜しさもありましたし、移転した初日にリフレッシュスペースを使って遅くまで、簡単な慰労会を開いたのがいい思い出になっています。

――新しいオフィスでの働き方に変化はありましたか?

畠山:
集中力が上がって、仕事がしやすくなりました。デスクパーティションで適度に区切られていることで、コミュニケーションは取りやすく、でも集中もしやすいという両立ができています。座席の配置も何パターンも検討して決めた動線なので、移動しやすいのではないでしょうか。

澤田:
個人ロッカーの導入で、PCや資料を机上に置きっぱなしにせず、自然と整理整頓する習慣が生まれました。デスク周りがすっきり保たれ、より効率的な業務環境が実現しています。見た目も整い、気持ちよく働けるようになりました。

川田:
サウンドマスキングシステムの効果は素晴らしいですよ。実は最初、懐疑的な意見もあったのですが、実際に使ってみると、静まり返ったオフィスよりもよほど働きやすいですね。カフェの中にいるようで、周りに気を遣わずにパッと話せるので、コミュニケーションが活発になりました。

澤田さん_1

「任せる」マネジメントによる成果

――今回の移転プロジェクトは、過去の移転とどう違いましたか?

井町:
移転委員会を組織し、彼らに主導権を委ねたことが今までとの大きな違いです。過去の移転では、バーカウンターの設置など私の意見やわがままも反映させてきました。でも今回は全く違うアプローチで、このメンバーが本当に思い入れを持って、「ここで働きたい」と思えるオフィスにしてもらうことが重要でした。だから基本方針だけ示して、あとは彼らの主体性に任せることにしたんです。

リモートワークが定着した昨今、Web会議が当たり前になり、客先への訪問が基本だった営業もオンライン商談が増えました。新しい働き方ができるようになった実態を精査した結果、そのような時代の変化に最大限対応したオフィス環境が実現できたと感じました。

――移転委員会のメンバーに選ばれた時、それぞれどんな気持ちでしたか?

守田:
移転委員会は、私が頼れるメンバーでチームを作ったというのが発足の経緯となります。私はだいぶ前から役員会にも移転の必要性を提案していたため、ようやく正式承認されたという嬉しさがある一方で、「8月末まで」という短期間での実現は正直厳しいと思っていたのが本音です。不動産会社、内装工事会社からも希望スケジュールを伝えると苦笑いされたり、表情が曇ったりでしたので、これは組織横断的なチームを組んで、ハイスピードでやるしかないと思ったんです。

川田:
2012年に大阪本社が移転する時、少しだけですがサポートした経験があったので、移転がどれだけ大変なのかは分かっていたつもりです。今回はより短期間だったので、本当にできるのかという不安も最初にありました。最も時間がかかるのは、あれこれと悩み、迷うことだと思っていたので、決断を早く的確に行えば、なんとかなるはずという楽観的な目論見もありました。ネットワークやインフラ関係は未知の領域でしたが、私がやるしかありません。逆に普段は触れない分野を学ぶ良い機会で、興味も持っていました。

川田さん_1

澤田:
移転委員会に加わってほしいと言われたときは、素直に嬉しかったです。私は、負荷がかかると燃えるタイプです(笑)。整理収納アドバイザーの資格も持っていたので、まずは不要な荷物を減らす“断捨離”の面で貢献できるのではと考えました。
また、私は総務部に所属していますが、普段からさまざまなデザイン業務にも関わっているため、今回は“デザイナーとして理想の空間を作り上げるミッションを託された”のだと受け止めました。

畠山:
入社から2年で、こんな大きなプロジェクトに関われるとは思っていませんでした。責任の重さに緊張しましたが、普段は3Dオフィスデザイナーの利用をお客様に勧める仕事をしている私がユーザーの立場で操作する貴重な体験ができると思うとワクワクしました。実際に自分が使う側になったことで、これまで使ったことのなかった機能を知り、本当に便利なソフトだと実感できたことがよかったです。

畠山さん_1

理想と考えるデザインやレイアウトを自ら提案できた

――3Dオフィスデザイナーの存在はプロジェクトにどんな影響がありましたか?

川田:
まずは設計や施工業者さんとの会話がしやすくなるというメリットがありました。プロの方たちは、平面図を見ただけで、頭の中で立体図を想像できますよね。でも、私たちのように専門家でない一般人にとっては、3Dのパースを見てようやくイメージできることがあります。

だからビジュアルを通じて会話することで行き違いを防ぐことが重要なんです。そういう意味で、3Dオフィスデザイナーを使っている業者さん、使っていない業者さんを比べると、初動時点での解像度の違いは明白でした。言語化が難しい場面でも、3D図面を通じてこちらの要望を伝えることができ、誤解や間違いを防ぐことにもつながりました。

守田:
今回、設計から内装工事、引っ越し業務まで依頼した富田商事さんも3Dオフィスデザイナーを使っていたために、短いときはその日中に修正案をあげていただける機動力を示してくださいました。通常の流れと比べると、何倍も早いスピードでディスカッションを重ねることができたこと、これが時短につながったのは間違いありません。

澤田:
私たちが目指した空間とは、対極にある今風のデザインを提案してくれる業者さんが多かったのですが、これは昨今のトレンドを忠実に捉えるとやむを得ないことだったと思います。そこで、私たちが表現したい世界観を込めた空間を3Dで具体的に見せることで、早期にギャップを埋めることにもつながったかと思います。

談話中の様子

――プロジェクト中で最も印象に残っている出来事は?

澤田:
「断捨離」に取り組んだことです。当初、メンバー数名で1時間程度の予定だったんですが、始めてみるとみんな止まらなくなって、最終的に全員参加で3時間も続きました。「新オフィスをより快適な空間にしよう」と、長年蓄積されていた使われなくなった資料や備品を一気に整理するなど、みんなの意識が変わった瞬間でした。

川田:
完成したオフィスを見た時の、みんなの純粋な喜びが印象的でした。普段あまり感情を表に出さない社員からも「・・・最高ですね!」という興奮気味の声があがったのには驚きました。

畠山:
工事の進捗を確認した際、執務スペース、商談スペースなど各エリアのゾーニングが計画通りできており、B工事で移設したパーテーションによってリフレッシュコーナーのプライバシー確保も実現できていると実感できた瞬間は嬉しかったですね。

守田:
旧オフィスの居抜き退去の交渉が正式にまとまったときは嬉しかったですね。管理会社からは「前例がない」とつれない返事でしたが、居抜きに詳しいコンサルタントを見つけて相談して、交渉を続けた結果、同じビルの既存テナントさんが手を挙げてくださったのです。自分たちで行動を起こすことで道が開けるんだなと実感しました。

移転にかかわったメンバーがそれぞれ成長を実感

――結果的に短期間でプロジェクトを成功へ導くことができました。ずばりこの要因は何だったと思いますか?

守田:
私たちそれぞれが専門分野や強みを活かして力を発揮できたからだと思います。さらに当初の役割分担を越え、みんなが「もっとやりたい」「こうすればもっと良くなる」という自発性を発揮したことは大きかったのではないでしょうか。川田さんはネットワーク回線の工事などもカバーしようとしてくれましたし、澤田さんはデザイナーであり、総務担当でもあったため、かなりの広範囲をカバーしてくれました。畠山さんは、各業者様との多岐にわたる膨大な折衝を完璧にこなしてくれました。

澤田:
それ自体が楽しかったので、まったく苦労だとは感じませんでした。やはり自らやりがいが感じられる仕事ができるのはいいですよね。このような環境で働けることに心から感謝しています。

――それぞれが発揮した強み、得た学びについても教えてください。

畠山:
提案を受ける側になってみて、お客様の気持ちが少し分かったかなと思います。普段から自分なりに相手の立場を考えて営業しているつもりですが、お客様の立場になって気づけたことが多かったです。たとえば、打ち合わせ中の確認作業です。相手は何を理解していて、理解できていないかをこまめに確かめることが、誤解を防ぐことにつながります。逆に大枠の説明がないまま商談が進むと、途中でどんな話をされているのか分からなくなりやすいことを実感しました。こうした学びは、私の営業スキルの向上にもつながると思います。

川田:
畠山さんが培ってきたコミュニケーション力は、複数の業者さんとの調整で活きていましたよね。連絡役を引き受けてくれて、複雑な工程管理をスムーズに進めてくれたのは大きかったと思います。

澤田:
今回、事務手続きから福利厚生まで、改めて総務の仕事の楽しさに目覚めました。社員のためにできることがたくさんあると気づき、それが大きなやりがいに繋がっています。

川田さん_2

川田:
みんなが使う備品や設備をどう配置するのがいいのか、自分のこと以外を考える時間が多かったように思います。すべての希望は叶えられない中で大切なのは最大公約数を考えることでした。その作業を、3Dオフィスデザイナーで視覚化しながら社員に見せたことが説得力にもつながりました。

守田:
私は営業でお客様に対してソリューション提案をしていますが、会社の価値を最大化するためのプロジェクトマネジメントは今回が初めてでした。細かな点は、メンバーの専門性を頼りつつ、自身で全体のスケジュールや予算を管理する経験ができたことはとてもよかったと思っています。

井町:
「任せる」ことの大切さを実感しますね。任せるというのは無責任になることではなく、最低限の方向性は示しつつ、あとはメンバーの専門性と判断力を信頼するという意味です。その結果、想定よりもはるかに質の高いアウトプットが生まれました。特に今回は他部署のメンバーが一つの目標に向かって連携することで、お互いの新たな一面を発見し合えたのも大きな収穫だったのではないでしょうか。

井町社長_2

妥協せず理想を追い求めてツールで具現化する

――これから移転を検討している企業へメッセージをお願いします。

畠山:
社内外で折衝を行う際、すべての情報をただ漏れなく共有するのではなく、自分の領域で判断できることは取捨選択を行い、全員の判断事案を削減することで、最終的に最短で理想のオフィス空間づくりを実現できたと思います。

澤田:
妥協しないことが大切ですね。そういった細部へのこだわりは、のちに結果となって現れることを感じました。もちろん、時間や予算といった制約はありますが、与えられた条件の中でどうベストを尽くすかをチームで考え抜くことが、成功の秘訣かと思います。

川田:
ツールをうまく使うことです。たとえば3Dオフィスデザイナーがあったことで、業者さんと、または社内でのイメージのすり合わせがしやすくなりました。図面さえもプロにすべてを任せるのではなく、自分たちから提案できるようになればよりよいレイアウトが追求できますからね。

守田:
自分たち自身が主体性を発揮することが大切です。できあがったオフィスを使うのは、その企業のスタッフです。だからこだわりを一番強くもたなければ、理想の空間は実現しません。何を理想とするかは、組織によって優先順位が異なるのは当然のことです。だから、とことん話し合って理想系のイメージをもってほしいと思います。

短期間で自分たちが「理想」と胸を張れるオフィス移転を実現したメガソフトの移転プロジェクト。各メンバーの専門性と主体性、そして3Dオフィスデザイナーという存在があったからこそ、限られた条件の中で妥協のない結果を生み出すことができました。

次回は、プロジェクトを支えてくれたパートナー企業から見た移転の舞台裏についてお話をお聞きします。

3Dオフィスデザイナーのスクリーンショット

3Dオフィスデザイナー

本プロジェクトで活用した自社製品「3Dオフィスデザイナー」は、オフィスレイアウトを簡単に3D化できるソフトウェアです。VRでの体験機能や実寸表示により、オフィス移転前に空間を体感することができます。

  • 素早いレイアウト作成
  • VR体験機能
  • 豊富な家具ライブラリ
  • 実寸表示と空間検証