しかし、今回の移転直前の時点における社員数は20名と倍増し、座席不足、スペース不足が慢性的な課題となっていました。
「旧オフィスでは、社員全員が出社した際に座席が足りず、しかもその状況が3年続いていました」と、組織横断型で結成された移転委員会のメンバーは振り返ります。
フリーアドレス席は2席しかなく、在宅勤務をする割合が多い開発部メンバーが出社したときには特に座席の調整に苦労する状況でした。複数のオンライン商談が重なると場所の確保が難しく、バーカウンター(休憩スペース)や作業台を急きょ使用するなど、場所探しに苦労していた社員も少なくありません。
特にコロナ禍を経たことで、以前は客先を直接訪問するのが当たり前だった営業担当も社内でオンラインでの商談に勤しむ時間が増えたことが、スペース不足に拍車をかけました。さらに手狭なスペースで複数のオンライン会議が進行すると、相手には隣席での会話が聴こえてしまいます。商談の質の低下にもつながる問題となっていました。
これ以上、問題を放置してはならないと役員会では移転を決定。2025年1月、営業・開発・総務と各部門から選抜された移転委員会が発足し、移転プロジェクトが本格的にスタートしたのです。
経営陣からの依頼は、8月の決算前の移転の実現。すなわち通常であれば、オフィス移転の計画から実行まで1年はかかるところ、残された時間は半年強しかありませんでした。

