ミュージックCDデザイナー ユーザーズ倶楽部 
   
 

   「フェードイン」「フェードアウト」の作業        

  音楽CDやラジオ番組において、曲の開始のときは音量ゼロで徐々に音量が上がっていくフェードイン、曲の最後で徐々に音量が下がり音量ゼロになるフェードアウト、前の曲がフェードアウトしつつ後の曲がフェードインして曲をつなぐクロスフェードといった効果が曲をつなぐ方法としてよく使われます。
  ミュージックCDデザイナー3では、編集機能でこのような効果も加えることができます。

  「フェードイン」と「フェードアウト」の作業は基本的には同じなので、まとめて説明することにしましょう。  

  まず、仮想CDデッキのトラックリストで、フェードインまたはフェードアウトを行ないたいトラックを1曲選択します。  

 

 続いて、編集パネルから「フェードイン」または「フェードアウト」をクリック。すると、スライダーが表示されたウィンドウが表示されます。
  フェードインの場合は、曲の先頭からフェードインが完了するまでの時間をスライダーで0.01秒単位で指定します。
 

 

  フェードアウトの場合は、曲の末尾でフェードアウトが開始する時間をスライダーで0.01秒単位で指定します。  

  フェードイン、フェードアウト共に、最大60秒までの時間を設定可能。試聴ボタンで効果のかかり具合を確認して、よければ[処理実行]ボタンをクリックしましょう。
  なお、「フェードイン」と「フェードアウト」のウィンドウでは、スライダーを選択した後に左右のカーソルキー(←、→)またはホイール付きマウスのホイールで、0.01秒ずつ微調整することができます。
  また、「フェードイン」と「フェードアウト」の動作は、音量がどの程度ずつ大きくなるか(小さくなるか)も設定されるため、あまり長いフェードタイムを指定すると少しずつ音量が大きく(小さく)なってしまい曲調を損なうことがあります。設定する場合には、かならず再生ボタンをクリックして試聴してみましょう。



   「クロスフェード」の作業        

 

  クロスフェードは、FM放送やダンスミュージックのノンストップリミックス盤などで使われることが多い処理です。
  「クロスフェード」の作業は、仮想CDデッキのトラックリストでコマンドを使いたいトラックを2曲選択します。
 

 

  続いて、編集パネルから「クロスフェード」をクリック。すると、スライダーが表示されたウィンドウが表示されます。
  ここで、1曲目の末尾と2曲目の先頭でクロスフェードする時間を0.01秒単位で設定します。フェードイン/フェードアウト同様、これも最大60秒まで設定が行なえます。
 

 

  1曲目のフェードアウトと2曲目のフェードインのフェーダーは連動しているので、どちらかを動かすだけでOK。片方を動かせば、もう一方も同じ時間になるように調整されます。

  なお、クロスフェード処理はトラック番号が少ない方が1曲目、多い方が2曲目となって行われます。変更があるときは、あらかじめトラックを並べ替えて作業をしましょう。
  また、チェックボックスで1曲目のフェードアウトと2曲目のフェードインをするかどうか、それぞれ指定することができます。両方ともチェックボックスをオフにした場合は、フェード処理は行われず指定した時間だけミキシング処理となります。
  さらに、隣りあった2曲ではなく離れた2曲を選択をすることも可能です。その場合は、トラック番号の多い方の先頭が少ない方の末尾にコピーされてクロスフェード処理が実行されます。この方法を使えば、ある1曲をモチーフに他の曲にリフレインのような効果を与えることもできます。
  また、実践編第15回で紹介したように、ライブ盤CDを作成する際、クロスフェードでフェードタイムを「0」秒にすると、1/75秒単位にトラック長を調整するため無音やノイズが入らずスムーズに曲をつなぐことができます。

  フェードイン、フェードアウト、クロスフェードは、演出効果のひとつです。処理を行なうか行なわないか、あるいはフェードタイムの長さで曲の印象がガラッと変わってきます。また、曲の一部を収録したいときなどは、フェードインやフェードアウトを加えて収録することで自然に曲を聴かせることができます。
  これらの効果を使って、オリジナリティあふれる音楽CDを演出しましょう。

<木村公彦>

 
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