導入事例


大切なのは「スタディ」に費やす時間、
そのツールとして3Dマイホームデザイナーは最適。

大手前短期大学・非常勤講師/九州女子大学・教授/
SIA一級建築士事務所・代表/
公益社団法人日本インテリアデザイナー協会・理事
酒井浩司 先生

大手前短期大学の授業の様子

▲大手前短期大学の授業風景。新型コロナ禍、アクリル板を立て、授業終了前に消毒タイムを設けるなど、感染対策をしながら実習授業を行っている。

世界は3Dを見ながらみんなで相談している

- 酒井さんには、以前 導入事例・インタビューにもご登場いただきましたが、今回は大学の先生としてお話をうかがいます。
酒井さんが3Dソフトを使い始められたきっかけと、大学の授業で3Dマイホームデザイナーをお使いいただいている理由をお聞かせください。

酒井先生:

これまで私が関わってきた海外のデザイン事務所のプロジェクトでは、プランをパッと3Dで立ち上げて、3Dを見ながらみんなで相談するということをしていました。
日本ではついこの間まで図面と展開図を描いてから3Dにするというやり方、「平面図ができたから3Dにしといて」という感じで作業的なものになっています。
ところが海外ではスタディ(検討)の段階で3D使っている。
3Dを見ながら「どう思う?」って一日中相談するのです、みんなで。これがすごくわかりやすい。
「3Dってむちゃくちゃ便利やんか!」って思いました。

学生からの3Dマイホームデザイナーの操作方法や、プランについての相談に応える酒井先生

▲学生からの3Dマイホームデザイナーの操作方法や、プランについての相談に応える酒井先生

以前はありものの家具を使うのが嫌で、ほとんどオリジナルを作っていました。それは3Dソフト上でも同様で、3Dマイホームデザイナーのような既存の家具を置いていくソフトは邪道だと思っていたのです。
その一方で、家具の3Dデータをひとつ一つ作るのってものすごく手間がかかるなぁとも思っていました。
ですが、他サイトから家具データを取り込んだり、収録されている家具を編集したりする方法がわかりましたので、その点での懸念はなくなりました。
今はもう、3Dマイホームデザイナーを使いたおしてます。(笑)

大切なのはスタディに費やす時間

- ありがとうございます。
それほどまでに3Dマイホームデザイナーをお使いいただいている理由は何でしょう?

酒井先生:

それは、スタディがすぐできるからです。
3Dマイホームデザイナーは、(空間イメージを)パパパパパッて作ってすぐ3Dで見るのに関しては異常に早いので、スタディをするにはもうこれ以外にはないなと思っています。

僕も手書き図面を学んだ世代ですし、これまで大学や専門学校で図面の描き方を教えてきました。
でも、3Dで描いたものから詳細図まで自動的にできて、その図面から現場で建物が建っていくという時代がもう目の前に来ているのに、図面を描く技術ばかりを教えてもなぁと、もう何年も前から思ってきました。

これからのデザイナーに必要なのは、いかにお客様にとって必要な物を考えて提案できるかで、描く手順や書き方ではありません。一点鎖線の書き方はもうええやろって。
学生にもスタディで考える時間、考えたことによって出てくる言葉が大切だということを伝えたいし、描く時間に追われてスタディに使う時間がないっていうのは本末転倒だと思って欲しいのです。

「スタディで考える時間、考えたことによって出てくる言葉が大切だということを伝えたい」と酒井氏

▲「スタディで考える時間、考えたことによって出てくる言葉が大切だということを伝えたい」と酒井氏

大学での授業に3Dデザイナーシリーズを活用

- 先日は大手前短期大学の授業を見学させていただきました。カリキュラムを簡単に教えてください。

酒井先生:

大手前短期大学の授業では3Dマイホームデザイナーを使っています。履修項目としては「インテリアCAD-1」と「インテリアCAD-2」があります。
インテリアCAD-1では3Dマイホームデザイナーの使い方の習得と、プラン上のデザイン、つまり、見た目の収まり具合と全体を通して綺麗に見えるかを考えるところに時間を割くようにしています。
インテリアCAD-2では、JAPANTEXのコンテストへのエントリーを目標にしていて、時間の使い方は完全にフリーです。
3Dマイホームデザイナーでプランニングして、プレゼンボードデザイナーでプランシートを作成します。
昨年(2020年度)、今年(2021年度)と僕の授業を受けている学生が1名ずつ入選しています。

2021年 入賞作品(九州女子大学) 2021年 入賞作品(九州女子大学)

2020年 入賞作品(大手前短期大学) 2020年 入賞作品(大手前短期大学)

▲JAPANTEXコンテストで入賞した学生さんのプランシート(画像クリックで拡大表示します)
上段:2021年 入選作品(九州女子大学)/下段:2020年 入選作品(大手前短期大学)

酒井先生:

僕のインテリアCADの授業を受けた生徒たちは、2年間で”考えること”を学び、確実に成長します。
3Dマイホームデザイナーで躯体を描いたあと、その何もない世界を自分がどう色付けするかがインテリアデザインですが、そこで初めて「楽しいけど、うまいこといけへん」と悩み考えることができます。そういうことに費やす時間をしっかり作り、訓練できているからです。
これまでの経験から、3Dマイホームデザイナーは教材としても非常に優れていると思います。

九州女子大学での授業の様子

▲九州女子大学での授業の様子。

酒井先生:

2021年4月からは、九州女子大学でも授業をしています。九州女子大学にもメガソフトの3Dソフトが導入されていましたので、それを使って授業をしています。
大手前短期大学と九州女子大学では使用するソフトが異なりますが、データはほぼ共通と伺っているので、両校の授業をリンクするなど、いろいろな試みもできそうです。

- それは面白そうな試みですね。実現したら是非お話しを聞かせて下さい。
今日は貴重なお話をありがとうございました。(2021年9月)

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