


よしたに動物病院
吉谷 泰一(よしたに たいいち)様
1961年、東京都新宿区生まれ
日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)獣医学修士課程卒業
1992年、埼玉県さいたま市に、よしたに動物病院を開設
「よしたに動物病院」の院長の吉谷泰一さん。
ペロリンのユーザーであり、手づくり食を推奨している獣医さんです。
さいたま市の北浦和公園の近くにある病院を訪問して、お話を伺いました。

――病院のご紹介や医療方針を、お伺いします。
吉谷先生:当院では、インフォームドコンセント(※1)を重視しており、対話を十分にしながら治療や指導を行っています。
地域に密着した活動をポリシーとしており、健康管理や悩みごとも含め、獣医師として幅広い知識を持って相談にのれるホームドクターでありたいと思っています。その場の治療だけではなく、5年後、10年後にも健康に暮らせること、そこにやりがいを感じています。
愛犬をどう育てるかは、家庭で子どもをどう育てるかということと、基本は同じではないでしょうか。可愛いからといって、社会から隔離せず、社会と関わる中でのしつけをする。食事は、買ってきたものだけを食べさせるのではなく、手づくりも行い、いろいろなものを食べさせる。人間なら当然と思える広い視野を持った育て方を、愛犬にもしていただきたいと思います。
そのためのお手伝いを、私達ができればよいと思っています。しつけの話から、食事のことまで幅広くご相談に応じ、初診時には飼育相談や食事指導をさせていただいています。
最近は、狂牛病や食品偽装、メラミン混入など食に関するニュースがマスコミを賑わすようになり、ペット業界ではこの6月に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称、ペットフード安全法)が施行され、食の安全や、食生活に対する関心は、さらに高まりつつあるように思います。当院でも、食事の相談や指導する頻度が、非常に多くなっています。
※1 インフォームドコンセント:十分な説明と同意を行う医療
――食事の指導では手づくり食を推奨されているそうでうすが、その理由や勧め方についてお聞かせください。
吉谷先生: 昔勤めていた病院の、師である方の影響が大きいのですが、人工の加工食だけに頼るのは危険だと考えています。
犬の飼い主の8割は、ペットショップで犬を購入しているようです。まずそこで、ペットフード、缶詰、おやつといった食生活がすり込まれているように思います。
イヌ科の動物は、歯の形状から推察するに、もともとは肉食で、その後、雑食に適応していきました。雑食の利点は、エネルギー源をさまざまな食材から得られる点です。
犬は肉類をベースに、いろいろなものを食べさせる手づくり食が健康によいでしょう。健康によいだけではなく、手づくり食は犬への愛情も増しますし、楽しいと思います。
私は、ペットフードを与えることを否定はしませんし、手づくり食だけにしなさいとも申しません。食事はプライベートなことですし、一律主義ではなく選択肢を広く与えて、話しあいの中から指導および推奨しています。
手づくり食がはじめての方には、まずスタートしてもらうためのきっかけをつくってあげることが重要だと思っています。そのためにペロリンをはじめ、情報が多く掲載されているWebや、手づくり食のレシピの本を紹介しながら、お話しをしています。
――実際に推奨されている料理や、気をつけることについて教えてください。
吉谷先生: 栄養のバランスがとりやすく、手軽につくれるのは、例えば鍋料理だと思います。肉や魚(動物性タンパク質)の水煮をベースに、お野菜や、その時の冷蔵庫のあまりものを足してみる、といった考え方で料理をしてみてはどうでしょうか。
鍋にすると自然と栄養のバランスもよくなり、吸収もされやすいようです。また、ひとつの鍋でつくる料理のほうが、飼い主さんも手軽で続けやすいのではないでしょうか。なお当院では日頃不足しがちな栄養素の亜鉛やビタミンB類の補給をして腸内細菌を活性化する、ビール酵母を料理にトッピングしています。
実際に飼い主さんに推奨する料理は、マニュアルのようなものがあるわけではなく、犬種、性別、年齢、基礎代謝、そして症状に応じて、お話しをとおして指導させていただいております。
あと食事のなかで、なるべく慎んでほしいのはおやつです。おやつはカロリーが高いものが多いです。嗜好性があって犬も喜ぶので、あげたくなると思いますが、特に小型犬には一度にいっぱい与えるのは控えて下さい。どうしても与えたいときは、量よりも回数を増やしてあげるのはどうでしょうか。例えば棒状のジャーキーなら、小指の先程の1〜2センチくらいにして、何かトレーニングのご褒美として、回数を分けて少しずつ食べさせる。しつけにも利用でき、効果的なように思います。
――最後にペロリンについてのご意見をお伺いします。
吉谷先生: 栄養管理や献立づくりには苦労していたので、このようなソフトの登場は喜ばしいことと思っています。手づくりの食事で気になるのは栄養バランスや量だと思うのですが、「ペロリン」はその目安がひと目で分かります。カロリーオーバーのチェックも参考になって良いのではないでしょうか。当院でも飼い主さんにご紹介させていただいています。
今後は、Webでレシピのやりとりができるとよいと思います。「わたしの手づくり自慢」など、ユーザーの方が自由に参加できて、いろいろ繋がっていけると面白いのではないでしょうか。
メガソフトさんには、家庭向けのマイホームデザイナーというヒット商品があるので、コンテンツの充実や、使い勝手をよくする方法は、参考にされていくのがよいのではないでしょうか。またそちらにはプロ用もありますが、ペロリンにも病気管理が行える病院向けのラインナップがあっても良いかもしれません。今後の発展に期待しています。
(聞き手:メガソフトスタッフT&M)

| 下痢 | ペットフード中心で、消化吸収の良いものばかり食べ続けると、腸の成長が短く、絨毛(じゅうもう)(※2)も少なくなり、消化吸収する能力が弱まることが考えられます。また、善玉腸内細菌も減少して、少し違うものを食べるだけで、下痢しやすい状態をつくりだしているように思われます。
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| 皮膚病 | 皮膚病は体質の問題なのですが、考えられる原因のひとつに脂質の取り過ぎがあります。脂質が多いフードを過剰に摂取していると皮膚の新陳代謝が弱まり、特に酸化した脂質をとるとかゆみの原因にもなります。
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| 膀胱結石 | おしっこが詰まるのは乾燥したドライフードのとりすぎが一因だといわれています。
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これらは、もちろんペットフードだけが原因でない場合もあると思われますが、食生活をいろいろ見直していく中で、手づくりの食事にしてみるという選択肢があることをお話ししています。
※2 絨毛(じゅうもう):小腸の内壁に存在する突起
※記載内容の情報は取材当時(2009年6月)のものです。