ミュージックCDデザイナー ユーザーズ倶楽部
   
 

   圧縮オーディオの音質の違いは何で決まる?        

  MP3/WMA/TwinVQといった圧縮オーディオですが、いろいろな圧縮オーディオファイルを再生してみると音質に差があることがわかります。この音質の違いは、何なのでしょうか?

  圧縮オーディオの音質は、基本的には圧縮オーディオファイルに変換したときの「サンプリング周波数」と「ビットレート」という設定に大きく左右されます。

  ミュージックCDデザイナー3では、ジュークボックスモードを選択した場合のサウンド品質の設定や、制作モードで出力形式をMP3/WMA/TwinVQファイルとした場合の書き込みの設定として表示されます。


  サンプリング周波数とは、圧縮オーディオに限らずオーディオデータ全般に共通する設定です。音声データを1秒間にどれだけ細かく切り分けてデジタル化するかを表し、切り分けの周期を周波数(Hz)で表したものです。音楽CDと同じ音質を得るには、「44.1KHz(44100Hz)」という設定にします。
  ビットレートとは、圧縮オーディオの1秒間の信号を何ビットで表すかを示す値です。単位には「bps」が使われ、MP3で標準的な設定となっている「128Kbps」は、1秒間のオーディオデータを表現するのに128,000ビット使われるという意味です。ビットレートを高く設定すれば音質は向上します。

  このほか、圧縮オーディオの形式や、MP3の場合はエンコードエンジンによっても、それぞれ圧縮アルゴリズムが異なるため音質に違いが出てきます。

   高音質の圧縮オーディオを楽しむには?        

  圧縮オーディオを高音質で楽しむには、圧縮オーディオファイルを作成するときの設定に注意を払いましょう。

  音質をアップする一番簡単な方法は、ビットレートを上げることです。ビットレートを1〜2段階上の設定にするだけで、ドラムセットのシンバルやハイハットなどの金属系の楽器の音の再現性が向上します。ただし圧縮率は落ちるので、作成されるファイル容量は大きくなります。
  また、MP3やTwinVQでは、オプションの設定(高度な設定)を使うことで音質を上げることができます。通常は変換速度優先の設定になっていますが、これを音質優先にすることでビットレートを変えずに音質を向上させることが可能です。
  さらにMP3では、VBR(可変ビットレート)という設定があります。これは圧縮状況に合わせてビットレートを可変することで品質を優先した圧縮を行なうことができます。
  なお、これらの場合、デフォルト設定よりも変換に時間がかかるということを覚えておいてください。

  このほか、元になったオーディオソースの内容によっても、圧縮オーディオの音質は左右されます。70年代前半のロックなどアナログ録音された楽曲(音楽CD)と最近のデジタル録音されたロック(音楽CD)では、同じ設定で圧縮オーディオにした場合、後者のほうが再現性は高くなります。これは、高い周波数成分が少ないなど元となるオーディオソースの情報量が少ない場合、圧縮オーディオに変換したときに切り捨てられてしまう成分が相対的に多くなってしまうためです。
  このような場合は、適宜ビットレートを上げるようにして変換します。

  以上のようなことに注意して、圧縮オーディオを高音質で楽しみましょう!


<木村公彦>

 

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