ミュージックCDデザイナー ユーザーズ倶楽部
   
 

 CD−RとCD−RWの違いは「フォーマット」できるかどうか
 
 お店で販売されているCDメディア(記録されていない“生CD”のことです。「ブランクCD」とも呼ばれます)には、いくつかの種類があります。  
  まず大きな種類となるのが、「CD−R」と「CD−RW」です。一件同じに見える両者ですが、これらは価格が、大きく異なっています。果たして、その違いはどこにあるのでしょうか。

   CD−RとCD−RWの違い        

  CD−Rとは、“Compact Disc−Recordable”(コンパクト・ディスク−レコーダブル)の略称です。意味は、「記録が可能なコンパクト・ディスク」ということになります。
  対してCD−RWとは、“Compact Disc−ReWriteable”(コンパクト・ディスク−リライタブル)の略称です。「再記録が可能なコンパクト・ディスク」という意味です。  
  CD−RとRWの大きな違いは、第一に「記録したデータを消すことができるか、できないか」という点にあります。CD−Rに記録したデータは消すことができませんが、CD−RWの場合は消すことができます。  
  ただし、CD−Rの場合でも、記録したデータを消す“ように見せる”ことはできます。これは、CD−Rの記録済みのデータを“見えなく”する処理を施すことでなされます。  
  そのため、ハードディスクやMOの場合は、消したデータの分だけ空き容量が増えますが、CD−Rの場合は、空き容量は増えません。実際のデータは、消されずにメディアの上に記録された状態となっているためです。  
  CD−RWの場合では、ISO 13346の規格をベースとしたフォーマットのUDF1.5の登場により、MOなどと同様のいわゆる“オーバーライト”が可能になりました。つまり、ソフトによっては、データを消去すれば空き容量も増加します。また、特定の手順でメディア上のすべてのデータを消去すると、空き容量を増やすことができます(データ用のCD作成ソフトで“CD−RWの消去”と呼ばれている作業は、このすべてのデータを消去する手順を意味しています)。つまり、フォーマットという限られた手段ですが、メディア上のデータを消去して、再び記録可能な状態にできるのです。
  これが“リライタブル(書き換え型)”と言われるゆえんともなっています。CD−RWメディアの書き換え可能回数は、規格上1000回以上と規定されています。実力値はもっと高い製品が多く、しかも同じ箇所ばかりに記録しないような工夫をしていることから、実使用上問題になることはあまりないでしょう。

   CD−RWの欠点とは        

  ここまで読まれて、「CD−RWの方が使い勝手がいいのではないか?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。そう思われるのも、ある意味当然です。CD−RWとは、CD−Rの「再記録ができない」という使いにくい点を改良した新しいメディアの規格なのです。  

  ただし、だからといって、CD−RWがCD−Rより完全に勝っているか――というと 、そうではありません。CD−RWは技術的に複雑で、なおかつ登場してから日が浅いため、ある程度の問題を抱えています。代表的なものとしては、以下のとおりです。
 
専用のドライブが必要になります
  前回の話で触れたように、CDはプレーヤーの中にある「ピックアップ」と呼ばれる箇所よりレーザー光線を発射して、盤面から跳ね返ってきた光の信号を検出しデータを読みとります。
  この際に重要なのが、「どれだけの光を読みとることができるかどうか」という点です。メディア側の目安となるのが、「反射率」という性能の指標です。これは文字通り、一定の強さの光を当てたときに、どれだけの強さの光が反射するのか――ということを示した要素です。  
  市販のCD(工場で大量生産された音楽CDや、CD−ROMを指します)に比べた場合、CD−Rメディアはほぼ同じ程度の反射率(ただし、若干弱いです)ですが、CD−RWメディアの場合は、CD−Rと比べても反射率が低くなってしまいます。  
  CD−Rメディアも、一部の音楽用CDプレーヤー(とくに古い製品)では再生できない場合があります。これは主に、この反射率の問題によるものです。
  CD−RWは反射率が低いため、ピックアップ側のレーザー光線の出力を強く(つまり、光を強く)しなければ読み書きすることができません。つまり、CD−RWに対応したドライブでしか使うことができないのです。  
  最近のCD−Rドライブは、ほとんどが「CD−R/RWドライブ」と呼ばれる兼用タイプの製品となっていますが、2年ほど前まで発売されていたCD−R専用ドライブでは、CD−RWのメディアを使うことはできません。  
  また同じ理由から、CD−ROMドライブも、CD−RWが登場する以前に作られた(具体的には、1997年の前半程度まで)製品では、CD−RWメディアを読みとることのできない製品があります。
 
RICOH MP7125A CD−R/RWドライブ

 

音楽用CDプレーヤーでは基本的に使えません  
  音楽用CDプレーヤーでは、基本的にCD−RWメディアを再生することができません。この理由も、さきほど紹介した反射率によるものです。  
  ただし例外として、最近登場してきた、音楽用のCD−R/RWレコーダーを使う場合と、CD−RW対応のCDプレーヤーでは再生ができます。

 

CD−Rに比べ、記録速度が制限されます  
  CD−RWは再記録が可能なように設計されているため、記録の方式はCD−Rと比べても複雑なものとなっています。そのため、2001年5月時点では最高でも10倍速までの速度まででしか記録ができません。  
  CD−Rは最高で20倍速というドライブが発売されていますので、理論上では2分の1になってしまいます。  
  また、再生の速度も、CD−Rに比べると遅くなってしまうドライブが多くあります。
 

 

 

メディアの価格が高価です  
  ある意味で、CD−RWの最大の欠点といえるのがここです。さきほど紹介したように、CD−RWのメディアはCD−Rメディアと比べて、複雑な技術が使われています。  
  そのため、記録メディアも非常に高価になってしまいます。2001年4月の時点では、CD−Rメディアは1枚100円を切っている製品もありますが、CD−RWメディアは300円程度となってしまいます。  
  また、一般的な使用方法ではほとんど問題にはなりませんが、記録された情報の寿命(いわゆる“メディアの耐久性”と呼ばれるものです)も、CD−Rと比べて短かくなってしまいます。CD−Rが理論上で最高100年程度とされているのに対し、CD−RWは10年程度とされています。
 
 
日立マクセル  CD-R AUDIO PRO X(上)/ CD-RW AUDIO MQシリーズ(下)

 




  こうした注意点はありますが、CD−RWは使い方によっては、とても便利なものとなります。  
  次回はさらに踏み込んで、音楽用CDメディアに関して知っておくと得する情報や、メディアを扱ううえでの注意点について紹介します。

(ハッシー)

 

戻る