ミュージックCDデザイナー ユーザーズ倶楽部
   
 

 MP3のデータを納めた音楽CD!?
 
  前回は、音楽CD作成用ソフトならではの操作性について紹介しましたが、そもそもミュージックCDデザイナー3でつくれるのは、音楽CDだけではありません。
  こう言うと、「えっ!? ミュージックCDデザイナー3って、音楽CD専用の制作ソフトじゃなかったの?」という方も多いのではないでしょうか。
  実は、ミュージックCDデザイナー3でつくることができるCDは、市販のCDプレーヤーで再生できる音楽CDだけではありません。
  最近話題となっている「MP3」や「WMA(Windows Media Audio)」といった、音楽のデータをファイルとして収録した、いわば“ちょっと特別な音楽CD”もつくることができるのです。
  ミュージックCDデザイナー3では、こうした特別な音楽CDを「ジュークボックスCD」と呼んでいます。

   一般的なCDプレーヤーで聞ける音楽CD        

  ミュージックCDデザイナー3でつくることのできるCDは、大きく分けると、「音楽CD」と、この「ジュークボックスCD」の2つに分けられます。
  まずは、本来の意味の“音楽CD”です。少々難しいことばになりますが、正確には「CD−DA」といいます。これは、Compact Disc Digital Audio(コンパクト・ディスク−デジタル・オーディオ)の略称です。意味合いとしては、「CDの規格で定められた仕様でデジタル信号化された、音のデータを収録したコンパクト・ディスク」ということになります。
  この“CDの規格で定められた仕様で”という点がポイントで、こうした仕様に則ったものでなければ、同じように見える記録したCD−Rでも、CDプレーヤーで再生できないといった事態が起こってしまいます。     ただしその代わり、一般的な音楽用CDプレーヤーのほとんどで演奏ができます。

   音楽CDとジュークボックスCDの違い        
 
 では、「ジュークボックスCD」とは、いったいどんなものでしょうか。  
  こちらは、主にパソコンで音楽を楽しむためのCD――と言えるものとなっています。少々難しい話になりますが、こちらは音楽CDの規格ではなく、CD−ROMの規格(ミュージックCDデザイナー3などの、パソコンソフトが納められているCD−ROMです)に則って音楽データが収録されています。
  そして、収録された音楽データは、「デジタル圧縮オーディオ」と呼ばれる技術によって、音楽CDで収録した場合に比べて、同じ1枚のCDでも、納められる曲の数を数倍から数十倍に増やすことができるのです。
  つまり、「ジュークボックスCD」という名前が示すとおり、とても長い時間の音楽を納めておくことができるのです。収録するデータの形式や音質にもよりますが、長い場合には、1枚のCDに24時間以上もの音楽を入れることができるのです。
  ただし(残念ですが)、ジュークボックスCDは欠点もあります。市販されているほとんどのCDプレーヤーで、再生できなくなってしまうのです。
  その代わり、パソコンや最新のカーオーディオやポータブルCDプレーヤー(「MP3」や「WMA」に対応していることと表明されているプレーヤーです)で再生することができます。
 

 

 音楽CDとジュークボックスCDには、このようにそれぞれの特徴があります。したがって、これらを使いわけることが重要です。
  基本となるのは音楽CDですが、ジュークボックスCDをうまく活用することで、場所をとらずに音楽ライブラリを充実させたり、対応プレーヤーではCDの入れ替えなしに長時間の音楽を聴いたりと、音楽をもっと楽しく聞くことができるようになるのです。

 
   どんなCDをつくるかはモード選択で決定        

  どんなCDをつくるかは、ミュージックCDデザイナー3を起動して、最初に表示される「モード選択」のメニューで決めることができます(このメニューに関する詳細は、実践編の第1回「豊富なサウンドの種類に対応しているミュージックCDデザイナー3」をご覧ください)。

  実は、それぞれのCDにも、CDの円盤、つまり生テープならぬ“生CD”(専門用語では、「CDメディア」と呼ばれています)にも、いくつかの種類があります。次回は、このCDメディアの種類に関しても紹介しましょう。

(ハッシー)

 


 
一部のCDプレーヤーでは、CD−Rを再生できないものも…
 
 

 一部のCDプレーヤーでは、CD−DAとしてつくった音楽CDでも、読み出せない場合があります。これは、CD−Rというメディアと、市販のCDの製造方法による違いであり、原理的なものです。
  CDは、プレーヤーの中にある「ピックアップ」と呼ばれる箇所からレーザー光線を発射して、盤面から跳ね返ってきた光の信号を検出し、データを読みとります。
  実は、CD−Rと市販のCDでは、レーザー光線の跳ね返り方が若干違っています。CD−Rの方が、同じ明るさのレーザー光を発射しても、少し暗く跳ね返ってきてしまうのです。  
  詳しい話に関しては、メディアの種類の紹介の際に、合わせて紹介します。

 

音楽CDの仲間について

  最近登場した音楽CDの仲間として、「CD−TEXT(シーディー・テキスト)」と呼ばれるタイプのCDがあります。これは音楽CD、つまりCD−DAの仲間です。基本的な仕様はCD−DAに則っていますが、CD−DAでは使われていなかった情報の記憶領域に、曲名などの情報をデータとして収録したものです。
  その特徴は、互換性が高いことです。基本的にはCD−DAの仕様をそのまま引き継いでいるので、音楽CDと同じように、ほとんどのCDプレーヤーで再生できます。
  ただし、曲名のデータに関しては、CD−TEXT対応しているプレーヤーのみで見ることができます。
  このCD−TEXTは、ミュージックCDデザイナー3で簡単につくることができます。さらにミュージックCDデザイナー3ではCD−TEXTの再生にも対応していますので、CD−TEXTを再生することで、曲名が自動的に表示されます。

曲名の表示もご覧のとおり!

 また、市販されているCDのなかには、「CD−Extra(シーディー・エクストラ)」、または「CD Plus(シーディー・プラス)」と呼ばれる種類のものもあります。  
  これは、音楽CDとCD−ROMの中間のような、特殊な音楽CDです。簡単に言うと、音楽CDの部分とCD−ROMの部分を1枚のCDに混在する、特殊な製法で制作されたCDです。  
  CD−Extraの特徴は、互換性を保ちつつ、CD−ROMとして、様々なデータが収録できるという点です。  
  CDプレーヤーでは音楽CDの部分のみが再生できるようになっているため、その場合は一般的なCD−DAと変わりありません。しかし、ひとたび対応機器(現在は、パソコンがほとんどです)で再生すると、音楽CD部分に加えてCD−ROM部分も再生できるようになり、CD−ROM部分に納められたデータを楽しむことができます(市販のタイトルでは、アーティストのビデオクリップなどやデジタル写真集などが納められたものが多いようです)。  
  なお、ミュージックCDデザイナー3では、CD−Extraのオーディオトラックを取り込むことができますが、CD−Extraを制作することはできません。


 


 
 

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