河村容治のインテリアコラム 今から学ぶ、インテリアコーディネート・トレーニング 著者プロフィール

課題についての解答案(コンセプト)の中から代表的なものを紹介します。
利用者の人数からすると採算面で心配な案もありますが、学外からの利用も期待します。
売店のイメージを一新できるいいアイデアも多数ありました。おかずだけの弁当や学生スタッフの採用は、学生ならではのアイデアです。学生のヘルシー志向が意外に強まっていることがわかります。
※ファサードのデザイン案は次回取り上げます。

A案 オリジナルカフェの提案 “T cafe”

  • 現在の売店は狭い割に売られている飲物は大学内にある自動販売機と同じで、パンはいつも同じもので種類も少ない。日替わりのカレーや丼物はすぐに足りなくなる。ならば、お弁当や丼物は学食で販売し、売店ではパンをメインにカフェのような空間すればいいのではないかと考えた。
    また、現在は空前のカフェブームでもあり、私立大学にもスターバックスやドトールコーヒーといったカフェを大学内に導入するところが増えている。T駅前のマクドナルドが新しくカフェになったが、ドリンクをテイクアウトし大学で飲むという学生も多い。そこで、今回私が提案するのはT大学オリジナルカフェである。

    目玉商品

    • カスタマイズできる飲み物(シロップや生クリームのトッピングができるなど)
    • 種類豊富なパン

    売るための仕掛け

    • 自分たちで好きにカスタマイズできるため、自動販売機にあるコーヒーでは甘過ぎる、濃すぎる等、普段大学の売店を利用しない人たちも自分のオリジナルの飲み物を作ることができる。
    • 朝ご飯をつくる時間がなく、早く学校にきて課題や資格の勉強をする学生たちが気軽に朝から利用できるよう、オープンは7時からにする。

    イメージスタイル

    • 大学生らしくカジュアル。男女ともに使いやすいカラフルな色合いに
    • イメージスタイル

B案 和と洋のMix Modern「鳥の子」

  • モダンイメージの落ち着いていてかつ洗練された空間は清潔感もあり、誰もが好感を持てる。 居心地の良さも保ちつつ、食品を販売するにふさわしい雰囲気を。

    ブランドイメージの構築

    • オリジナル商品であるパンやお弁当のパッケージもブランド性のあるものに統一。売店全体のベースカラーは白に近い色で。ポイントとなるイメージカラーは“Signal Red”と“Marron”。パッケージにはポイントのカラーを取り入れ、印象付ける。

    店のイメージ

    • 清潔感を持たせるために壁などの大きなところは白に近い“鳥の子色”という色をとりいれたい。
      ラックやカウンターに“Steel Grey”を取り入れ、引き締め色に。これらの4色は落ち着いた色味で優しさをも感じさせる。
      着物や和小物などにも取り入れられる鳥の子色という日本伝統色を織り交ぜることで、日本的な落着きも感じてほしい。
    • カラーイメージ

C案 ヘルシーに、日本食をたのしもう!“JAPAN KITCHEN”

  • 現在の売店は、お菓子・飲み物・パンがメインとなっている。昼ごはんになるメニューがパン、おにぎり、丼ぶり、カレーと少ない。学生の小腹を満たすには十分かもしれないが、学食に行列が出来ていることや、別館の学生ホールのお弁当が売り切れてしまうことから昼ごはんになるメニューに需要があることが言える。
    また、Tキャンパスは女性が多いため、現在売店にある丼もののメニューよりヘルシーなメニューも求められるといえる。また、売っているものが軽食メインということもあり、傾向としてパンやおにぎりカップめんを昼食としている学生も見かける。このような食事は栄養面からみてもバランスが悪い食習慣は好ましくないと考えられる。
    学生ホールにヘルシー&ボリューミーな「和食のお弁当やさん」を提案する。扱うメニューはヘルシーなものをメインとするが、たくさん食べたい、という男子学生のために量としては多めでリーズナブルな食事を提供する。(その分、学生アルバイトを多用して、人件費を削減する)

    メニュー

    • 1.べんとう:350円〜 2.ごはんなしお弁当 3.噌汁:50円 4.サラダ:100円〜 5.おにぎり:100円〜
      (食費を抑えたい学生に、ごはんだけでも持参してもらい、おかずのみの弁当を買えるようにする。)

    イメージスタイル

    • natural

    色彩計画

    • メインカラー:saddlebrown、ベースカラー:lemonchiffon アクセントカラー:sandybrown
    • カラーイメージ

    その他の考慮点

    • 売り場面積を広く設けたいため、飲み物は売店では取り扱わない。自動販売機をもうひとつ、売店横につくることで対処する。

      現在売られているパンを楽しみにしている人もいるだろう。パンについては、ホール内に仮設的に設けるため今回提案する売店には、売り場としては設けない。

      運営を学生が手伝えるように
      現在は委託された会社に雇われている人がお店にいるようだが、スタッフを学生もやることで、自分自身や仲間が働いていることより学生に愛着のある店になるのではないか。決められたアルバイトとして入るのではなく多くの学生が気軽にアルバイトができる仕組みにする。

D案 仲間と行く市場“Copain Marche“

  • 野菜を中心にバランスのとれた食事を整列・回遊性のあるブュッフェ形式で
    私が現存の売店で気になっている点が、回遊性のないこと・商品の陳列がわかりにくいこと・列が散散になっていることの3点である。
    そこでまず提案したいのが、ブッフェ形式の導入である。商品はどれも客に見やすく、おいしそうに並んでいる市場のような陳列・自分の食べたいものを列に並びながら選ぶブュッフェ。この二つを取り入れ融合させることで上記のような不満は緩和せれるのではないかと考えた。
    店内はコの字型のようにブュッフェ台を設け、店の中心には冷蔵ショーケースを設けそこには飲み物やスープのような汁物をそのまま手に取りテイクアウトできるように設置する。ブュッフェ台の上にはおすすめメニューの黒板や標識のようなもので下の台には何があるか、視覚的にもわかりやすいようにする。
    店内のイメージはあくまでナチュラル。市場のような色鮮やかなものは販売する商品がその役を担ってくれるし、にぎやかさは学生が集う活気で充分であると思うからだ。朝方や間食事の落ち着いている時間帯にもなじむようにナチュラルというイメージは重要である。

    イメージスタイル

    • 大学生らしくカジュアル。男女ともに使いやすいカラフルな色合いに
    • イメージスタイル

E案 てづくり工房

  • お菓子やジュースを買いに来た人とご飯(おにぎりやパン)を買いに来た人との差をつける。それぞれの動線を確保したい。親近感あふれる店内をめざす。

    目玉商品

    • 手作りのおにぎりとパン

    イメージカラー

    • ナチュラル&カジュアル

    売るための仕掛け

    • 店内の配置に注意する。今の購買の問題点は面積の狭さとそれ以上に集まる人の多さ、混雑が問題である。面積は変えられないので店内の配置に注意する。
      また、必要ないと感じた商品棚は撤去する。実例をあげれば、現在購買の奥にあるガムや飴などの棚を撤去する。そのかわりにガムや飴などはレジの近くに置き“ついで”感覚で買ってもらう。
      目玉商品として「手づくりのおにぎりとパン」を主に目につくところに置きたいと考えている。現在、おにぎりはレジの近くにおいてあるがその高さがあまり視界に入らない。パンの棚にいたっては、真ん中にあり注目度は高いが、一方向からしかパンがとれない。購買には順番に並ぶスペースもないのでどの角度からでもとれるような棚にしたい。
      おにぎりの種類、パンの種類を増やし、種類の事前提示を行い、パンは何時に焼きあがりかを明記した一覧表など作成する。
    • イメージスタイル


著者プロフィール

河村容治(かわむらようじ)
東京都市大学 都市生活学部教授
博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ
主な著書
インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数
ガイドブック 好評発売中

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