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大倉清教のオフィスデザインコラム「オフィスのプランは自分たちで創る!」

第4回「オフィスデザイン」の変化

オフィスデザインという言葉が日本で使われ出してから30年になるでしょうか?

椅子のイメージ画像それまでのオフィスは、向きだし蛍光灯とスチール製のグレーデスク、回転椅子、保管庫が並び、デザインなどほとんど関係ない世界でした。

オフィス家具のカラー化がはじまり、ファイリングシステムなどの導入によって業務作業効率の検討がなされるようになってから、ようやくオフィスデザインの必要性が気付かれはじめました。

その後、OA化がはじまり、パソコンやコピー、FAXがオフィス内にあふれるようになると、今度はそのようなOA機器がもたらす騒音、発熱や配線などの環境悪化に対応すべく、オフィスの機能性とフレキシビリティが求められるようになり、トータルに計画をすべくオフィスデザインがその重要性を増して、ニューオフィス推進運動が当時の通産省を中心に浸透してきました。

機能性ばかりでなく、人間工学を取り入れた快適性、地球環境との調和をはかるエコロジー、オフィスのバリアーフリー、ユニバーサルデザインも大切な要件としてオフィスプランに盛り込まれています。


オフィスのイメージ画像そして、ここ10年間は、加速度的に情報処理機能が高度化し、インターネットを中心に情報通信が発達することにより、人々の働き方に変化が表れてきたのです。

すなわちSOHO、サテライトオフィス等、いつでもどこでも仕事ができる環境になれば、いままでのオフィスのあり方が根本から問い直されて、もはや単なるデザインの範疇をこえた視点からの解決策が求められています。

近年では、オフィスの作り方や運用のしかたを間違うと、激変する事業環境に対応すべく変革する組織や業務の要求に応えることができず、企業活動を阻害することも十分にあり得るのです。
それくらい重大な責任ある仕事になりつつあります。

オフィスデザインはファシリティマネジメントと融合し、企業経営に密接に結びつく使命を帯びてきました。


この間、ずっとオフィスデザインに携わってきた私には、あっという間の出来事のような気がしますが、これからは、もっと激烈な変化が起こりうると考えられます。

.もはやどのような計画も管理も間に合わず、オフィスワーカーが自分たちで働く環境を作り、コントロールしなければならない時代になるでしょう。

そうです。自らのワークスタイルを作り出す人々によって創出される新しいオフィスデザインが、はじまろうとしているのです。

まさしく「ユーザーオリエンテッドデザイン」が中心になるでしょう。

Kepla Design Studio 大倉清教

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著者プロフィール

大倉清教
(おおくら きよのり)

有限会社ケプラデザインスタジオ(Kepla Design Studio)代表取締役社長

これまでに約2,000件のオフィスプランニング、デザインを手掛ける。
現在、FMコンサルティングやインテリアプランニング&デザイン、家具デザインなど幅広く活躍中。

著書に「オフィスインテリアのプランニング&デザイン」(共著・KBI出版)「3Dオフィスデザイナー快適オフィスの作り方」(共著・アスキー)がある。


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