河村容治のインテリアコラム 今から学ぶ、インテリアコーディネート・トレーニング

第32回 リフォームの実例 KS邸(1)現況

築 40 年の戸建住宅のリフォームです。 構造上に制限がありスペースも限られた中で、高齢者のための快適な水廻りを求めて、何通りものプランを比較検討しました。

クライアントの要望

  • クライアントは一人暮らしの80代の女性です。 築40年の木造2階建住宅で、浴室と洗面は竣工当時のままです。最近足腰が弱くなってきたため、古くて使いづらい水廻りの設備を一新したいとのことです。要望は「広くて明るい浴室が欲しい」また「車いすでも入れるようにスペースを確保してほしい」とのことです。
  • リフォームの範囲

    リフォームの範囲


現況水廻りレイアウト

  • 現状の水廻りは老朽化が進んでいます。段差も多く、つまづき易い危険な場所が各所に存在しています。全体的に狭くて暗い印象を受けます。勝手口は現在使用していないので、水廻りのスペー スとして取り込むことにしました。
  • 現況水廻り平面

    現況水廻り平面

  • 現況水廻り立体表示

    現況水廻り立体表示


現況写真


浴室

  • 浴室の入口には大きな段差があります。浴槽は和式タイプで高齢者には入りづらい深さです。壁と床の仕上げはタイル貼りです。
  • 浴室

    浴室

  • 浴室窓

    浴室窓

  • 浴室床段差

    浴室床段差


トイレ

  • トイレは以前改修し、その際に手摺を設置しました。壁面には比較的大きめの窓があります。床の下地は老朽化が進み浮き沈みしている部分があります。
  • トイレ

    トイレ


洗面

  • 奥行きの狭い、タイル貼りの洗面器です。上下に収納用の戸棚がありますが、上部は日常的には使用していません。床下地も老朽化しています。
  • 洗面器

    洗面器

  • 洗面収納

    洗面収納

  • 洗面

    洗面


水廻り入口

  • 入口はダイニングキッチンより入り、カーテンで仕切られています。
  • 水廻り入口(ダイニングキッチン側 左側に勝手口)

    水廻り入口(ダイニングキッチン側 左側に勝手口)



作者プロフィール

河村容治(かわむらようじ)

元東京都市大学 都市生活学部教授 博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ

主な著書

「インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数

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